DRAM (Dynamic Random-Access Memory) 業界の主な推進要因は、かつては PC でした。しかし現在は、はるかに多様な製品によってこの分野の技術革新が推進されています。より高性能なデバイスを求めて留まることを知らないニーズにより、高性能なプロセッサ、半導体、チップセットの供給も増加しています。スマートフォン、タブレット、データセンター、車載用アプリケーション、拡大を続ける IoT、さらには AI や機械学習向けの高帯域幅メモリーの需要が、記録的な業界の収益を支えています。
DRAM は、2018 年から 2023 年 にかけて 28.70% の CAGR (年平均成長率) を達成する見通しです。韓国、台湾、日本、中国における製造の成功により、アジアは傑出した DRAM 市場として位置付けられました。
引き続き好調な DRAM 市場では、Samsung、SK hynix、Micron、Nanya などの全ての大手 DRAM プレーヤーが、微細化を実現する新たな次世代製品の開発とリリースに向けて熱心に取り組んでいます。上位 3 社の DRAM メーカーはすでにサブ 20 nm のテクノロジーノードに移行しており、2017~2018 年には、Samsung の 1X および 1Y 世代の LPDDR4X、DDR4、GDDR6 などの 1X nm 以降の製品が発表されています。DRAM の微細化は、今後数年間継続すると考えられます。
DRAM セルのトランジスタ設計とキャパシタ構造を 18 または 1a まで縮小できる可能性は限られています。そのため、主要なメーカーは、ピラー型セルキャパシタ、高誘電率のキャパシタ絶縁膜、埋め込みワード線ゲートのデュアルワークファンクション メタルレイヤー、低誘電率のスペーサおよびエアギャップなど新たな技術を採用しようとしています。
4F2 セル設計を採用したキャパシタレス DRAM や 1T-DRAM 製品はすぐには登場しないかもしれませんが、DDR5、LPDDR5 製品は、年内か遅くとも来年早々には市場に出ると考えられます。HBM2 (Samsung, SK hynix) および HMC2 (Micron) は、現在 GPU (AMD、NVIDIA) 向けとして広く使用されています。UniIC と Innotron を含む中国の新興 DRAM メーカー数社が製品を市場に投入済みで、テックインサイツは Samsung の GDDR6 を解析する予定です。
当社は引き続きこの分野の技術革新から目を離すことなく、ティアダウン/コスト計算、アーキテクチャ、設計、プロセス統合、機能テスト、パッケージ、構造、回路、トランジスタ特性、波形などにわたる解析ロードマップを必要に応じて調整していく予定です。