世界の半導体市場は、2019 年だけで 5,000 億米ドル近い規模に達すると見込まれています。半導体は、現実世界とデジタル世界をつなぐために欠かせない要素で、検出、演算、駆動を通じてほぼ全ての業界の電子機器をサポートしています。

半導体業界は、開発コストの上昇、マージンの縮小、市場の飽和、合併および買収活動の活発化などの問題に直面しています。注目すべき技術革新分野には、民生用電子機器、ワイヤレス通信、データ処理、車載用エレクトロニクスが含まれます。これらの分野の多くは消費者の需要に直接結びつくため、半導体業界は他に類のない変動の激しい領域として位置付けられ、依然として高い確率で収益が拡大すると見込まれています。消費者の需要を予測している OEM や、対応の迅速な OEM は、おそらく、技術進歩がもたらす複雑さに対応しながら成果を出すことができるでしょう。

最近の半導体業界の出来事には以下のようなものがあります。

  • クラウドおよびデータセンターのアプリケーションが急成長し、Amazon や Google などのこの領域におけるトップ企業が独自チップの設計を進めています。
  • 民生用技術への注力と加速する自動化により、自動車空間の定義が塗り替えられようとしています。自動車は車輪の付いた携帯電話になり、さらなる機能を求める消費者の要求が、現代の自動車業界のあらゆる側面に多大な影響を与えています。
  • 民生用 IoT が登場し、北米では各家庭で平均 13 台のデバイスがネット接続されています。「スマート」なコネクテッドソリューションが普及するにつれて、この数字はさらに大きくなると考えられます。
  • 過去 10~15 年にわたり成長を牽引してきたのはモバイルおよびワイヤレス分野ですが、この分野が失速する兆候はみられません。消費者はまだ、価格の高いフル機能付き最上位モデルの携帯電話を進んで受け入れてはいませんが、中位モデルの携帯市場は急拡大しています。
  • 市場シェアの面では、半導体業界で最も強力なカテゴリーはメモリーであり、その理由には主に、先進的になるほど製造コストが上がることと、需要が大きいことが挙げられます。2017 年にメモリー技術が 2D NAND から 3D NAND に移行して以来、供給をはるかに上回る需要によって過去に例を見ないレベルで価格が高騰しています。現在も 3D NAND の進歩は継続しており、主要メーカー 6 社が 9XL NAND ソリューションを発売済み、または発売予定となっています。

30 年にわたって半導体デバイスの解析を行ってきたテックインサイツは、この解析結果を利用して、技術情報や知財に携わるお客様をサポートしています。