デジタルサービスを介して処理されるデータの量が増加の一途をたどるなかで、世界のデジタルストレージデバイス市場は、2023 年までに 1,410 億米ドルに達する見通しです。この市場には、磁気ドライブ、光学ドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュメモリードライブなどのドライブが含まれ、データの格納、やり取り、検索に使用されます。

この市場の推進要因を挙げるのは簡単ですが、これに対応することは簡単ではありません。より多くのデータを、より確実かつ効率的に格納しつつ、デバイスサイズを縮小することが求められています。一見矛盾するかに思われるこれらの要求によって、デジタルストレージの技術革新が継続的に行われ、最近では 9XL レンジの 3D NAND メモリー製品などが登場しています。

3D NAND 領域に関して、当社が確認した (または確認予定の) 最新製品には、Samsung 92L 3D NAND、東芝 96L 3D NAND、Micron 96L、YMTC 32L 3D NAND、SK hynix 4D (PUC) 96L NAND が挙げられます。製品の説明を読むだけでも、ストレージデバイス市場の業界リーダーによって幅広いアプローチが採用されていることがわかります。メーカー各社は、次の製品に向けた競争で勝つことを目指して、さまざまなレイヤー数、ノードサイズ、ボンディングおよびパッケージ技術を使用し、段階的な変更を組み合わせてソリューションを構築しています。

引き続き好調な DRAM 市場では、Samsung、SK hynix、Micron、Nanya などの全ての大手 DRAM プレーヤーが、微細化を実現する新たな次世代製品の開発とリリースに向けて熱心に取り組んでいます。上位 3 社の DRAM メーカーはすでにサブ 20 nm のテクノロジーノードに移行しており、2017~2018 年には、Samsung の 1X および 1Y 世代の LPDDR4X、DDR4、ならびに 1X 世代の GDDR6 など 1X nm 以降の製品が、部品、モバイル、グラフィックカード用途向けに発表されています。今後数年は DRAM の微細化が続くと思われます。

新たなメモリー技術に関して、テックインサイツは以下を含む多数の技術とその開発メーカーを継続的にモニタリングしています。

  • MRAM、STT-MRAM (in-plane MTJ、p-MTJ): EverSpin、Crocus、Avalanche Tech、ソニー、TSMC、Samsung、Micron など
  • PCRAM (XPoint): Micron、Samsung、Intel、IBM など
  • ReRAM (OxRAM、CBRAM/M-ReRAM): Crossbar、パナソニック、Adesto、SK hynix、TSMC など
  • FeRAM: Cypress、ローム、Celis、Kentron など

 

ベンダー各社の研究開発部門は、256 層や 512 層といった次世代技術に取り組んでいます。テックインサイツのアナリスト Jeongdong Choe は、「現状は、ある種の競争といえます。何層まで積層できるかをめぐる競争です」と述べています。
- Semiconductor Engineering

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